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経験を積もう!准看護師資格を活かすための上手な病院・施設選び

今回は准看護師資格を取得後に最初の就職先として選ぶ病院はどんなところが良いのかについて、個人的な意見を中心にお話ししていこうと思います。

准看護師は「本当に、本当に、経験あってこそ活きる資格」です。

経験を積んでいくことで、どんな病院・施設でも不安や迷いなく働くことができます。

その点は看護師も同じですが、やはりどうしても看護師よりも劣る准看護師の求人状況。限られた求人の中で、自分を高めることができる就職先を見つけていくことがとても重要です。

この記事は、准看護師資格取得後にどんな所へ就職すれば良いのか、ご自身の生活背景と照らし合わせながら参考程度に見てもらえるといいかなと思います。

准看護師資格を取得する目的によって病院選びは変わる

 

まず、ご自身が准看護師資格を取得する目的について考えてみましょう。

これによって病院選びが少し変わってきます。

何のために准看護師として働くのか、その理由が曖昧だと後々「ちゃんと考えて働く先を選べば良かった」なんてことになりかねません。

その1:安定した収入を得たい

 

働くのだから、もちろん「お金」ですよね。

資格取得を目指すに至る背景がどうであろうとも、手に職つけて生きていくのに困らないようにしたいから准看護師資格を取得しようとしているわけです。

もちろん、資格マニアとかそんな稀なケースもあるかもしれませんが、基本的に准看護師になろうとしている人は『自立して安定したお金を稼いでいきたいと思っている』と勝手に定義します。

けれど、同じお金を稼ぐといっても方法は様々。

定時で帰れたらいいな、時間に融通が利くといいな、子供の行事優先できるといいな、しっかり勉強できる環境がいいな、そんな自分の働くスタイルとの兼ね合いもとても重要です。

どんな風に働きながら、安定した収入を得たいですか?

自分のビジョンを明確にしておくと自分に合った病院選びができます。

その2:再就職を容易にしたい

 

看護師と比べて求人数が少ないとは言えど、それでも准看護師は何も資格を持っていない人と比べると再就職しやすいです。

会社員で結婚・出産を経て、仕事と家庭の両立が難しくなると辞めざるを得ない時もあるでしょう。

辞めてしまった後に働こうと思っても、時給で雇われるパート生活しか選べない状況になり得ます。

子育てが落ち着き、いざ働こうと思った時、自分に資格・技術があるかないかは大きな差です。

准看護師資格を持っているだけで、パートでも派遣でも正社員でも、いろいろな雇用形態で自由に働き方を選ぶことができるのです。

同じ午前のみ4時間勤務でも、一般的なパートの時給よりもはるかに良い時給で雇ってもらえます。

やはり資格の中でも技術職は、就職に困らないという強みがありますね。

ただ、この再就職…やはり経験があるとないとでは病院選びに差が出ます。

自由に自分の希望通りに雇用されたいなら経験の積める病院への就職をお勧めします。

病院・施設選びで考えなければいけないこと

 

ではここから、実際の病院・施設選びについてです。

先にお話しした目的や家庭環境によっても変わってくるので一概には言えませんので参考までに読んでくださいね。

その1:病棟か、外来か

 

これは何とも言えないところではありますが、個人的に最初は病棟勤務をするべきだと思います。

はっきり言って向き不向きあります。

外来向きの人もいるし、病棟向きの人もいます。

でも、病棟勤務を経験している方が長い目で見て自分のためになるかなと私は思っています。

外来勤務は業務を円滑に行う能力が問われます。

外来勤務は業務が毎日ある程度決まっているので、よっぽどイレギュラーなことが起こらない限り決まった仕事をするという感じです。

外来の診察が滞らないように上手く業務を回していく事務的な部分が多いですね。

各種検査の知識・技術は、外来の方が勉強になります。

業務を円滑に行うことは外来でも病棟でも変わりはないですが、外来は患者さんが入れ代わり立ち代わりの待ったなしなので。

ただ業務をこなすだけでなく、接客的な要素も含んでいるかなと思います。

もちろん、救急外来は毎日がイレギュラーなことの連続だと思いますので別です。

もし外来勤務するなら、救急外来のある病院おすすめです。

病院の規模にもよりますが、ある程度何でもできるようになりますし、精神的に鍛えられると思います。

病棟勤務は自分で判断して行動する能力が問われます。

病棟勤務は、患者さんを24時間ずっと看ていくので看護師としての考え方や判断力、技術が向上すると思います。

病棟は、患者さんのお世話をするのが仕事です。

観察力、判断力、とにかく考えることが多いです。

それを医師に適切に報告する。

あとは、おむつ交換なんかも病棟ならではですね。

外来勤務の人の中には、おむつ交換したことありませんって人が意外といるんですよね。

病棟では、おむつ交換や体を拭いたり着替えさせたり、入浴介助をしたりと日常生活援助の技術も確実に向上します

私はいちばん最初、急性期の病棟勤務をしていました。

それ以降もほぼ病棟で働いていて、外来勤務は1度しかしたことがありません。

なので、やや病棟寄りの考え方をしています。

その2:病院か、医院(クリニック)か

 

これは断然、病院です。

初めての就職先に医院(クリニック)を選んでしまうと、その規模での業務しかこなせなくなります。

最初は可能な限り大きな病院で働き、様々な職種の人と関わり、様々な患者さんに触れ合うのが良いと思います。

 

 

にゃん太
医院(クリニック)はベッド数が19床以下のものを指します。入院設備がある=病院ではないんです。

「病院」というと、様々な診療科が独立して稼働しているようなイメージがあると思います。

私も病棟勤務をしているとよく知人に、「ねぇ、くみたんは何科で働いてるの?」と聞かれて答えに困ってしまうんですが、答えは「混合病棟」なんですよね。

混合病棟という言葉は正式名称ではありませんが、様々な診療科の患者さんが入院している病棟ということです。

中規模~小規模な総合病院(と謳っている病院)は、ほぼ混合病棟だと思います。

病院の名前に、脳神経外科とか産婦人科とか整形外科とか診療科の名称が入っているところは、間違いなくその診療科目しか扱っていないので分かりやすい。

その中に内科、アレルギー科などちょっと診療科がプラスされているくらい。

私が准看護師におすすめするのは、総合病院の混合病棟ですね。それも急性期です。

急性期というのは「病気になって、今まさに治療が必要だー!という状態」のことです。

混合病棟の急性期は本当に勉強になりますよ。

内科、循環器科、消化器科、外科など幅広く色々なことを学んでいけるはずです。

ただ、それぞれの科の深い専門性のある勉強はできないかもしれません。

興味のある診療科に特化した病院を選ぶのも、選択肢のひとつだと思います。

でも私は、「准看護師はオールラウンダーであれ」と思っています。

ちなみに、オールラウンダーとは「多領域に有能な人」ですが、有能であるかどうかはさておいて、准看護師は広く浅くだとしても様々な経験をすることが大事だと思います。

この経験が、准看護師の転職の強い味方になるのです。

ただ残念ながら、病院の病棟勤務を選ぶとなると家庭との両立は難しい部分があるかもしれません。

病院の体制にもよりますが、夜勤、早出、遅出と勤務スタイルも色々ですし、残業のあるなしも大きなポイントです。

けれど子供の急な体調不良なんかには外来より融通が利くと思います。

病院の体制、上司の考え方に大きく左右されますが、不思議なことにひとりくらい職員の欠員が出ても何とか業務をこなしていけます。

もちろん、仕事は休まないことが大前提ですが、外来よりも休みやすいというか休んでも患者さんに迷惑がかかりにくい。

語弊がないように言いますが、決して「病棟勤務は自由に仕事を休めて、休んでも誰にも迷惑をかけることがない」ということではありません。

ということを踏まえても家族の協力が得られるならば、最初の勤務先は総合病院の病棟で間違いないと思います。

経験よりも家庭との両立を重点に置くなら医院(クリニック)ですね。

医院(クリニック)を選ぶなら、外来のみの所が良いです。

ベッド数が19床以下の医院(クリニック)は選ばないようにしましょう。

外来と病棟の両方を勤務することになり、通常の病院の病棟勤務より大変です。

医院(クリニック)の良いところは、その日のうちに仕事が終われば持ち帰りの仕事がないところですね。

その日の業務をこなせばそれでOK。

その日のことはその日のうちに終わらせることができるので精神的にとても楽です。

平日の木曜や土曜が休診だったり、年末年始、お盆、祝日が休みというのも子育て中には魅力的なポイント満載です。

ただ、注意しておかなければならないのが、病院に比べ圧倒的に雇用されているスタッフの人数が少ないということ。

これはつまり、「急な休みを取りにくい」ということです。

理解のある職場なら良いですが、子供が熱を出したので…と頻回に休むことになると、ただでさえギリギリの人数で業務を回しているのに困るんだよ!という事態になってしまうのです。

だから私は、医院(クリニック)では働けないのです。

クリニックにも様々な診療科がありますが、医院(クリニック)に共通していることは、「看護師としての技術、知識を向上させるのが難しい」というところでしょうか。

医院(クリニック)によっては、勉強会を設けていたり教育に力を入れているところもあります。

けれど、それも一部なのかなという印象です。

そもそも自分にも家庭にも負担かけずにそこそこの給料を稼ぎたくて医院(クリニック)で働いているのに、残業のような勉強会に参加しなくてはならないなんて…なんだが本末転倒?

語弊のないように言いますが、決して「医院(クリニック)は楽に働けるとか、働いていても勉強にならない」ということではありません。

そこそこに給料を稼いで家庭も両立派には良いと思います。

ただ、経験が積みにくいので働く場所を変えたいなぁと思っても、自分に自信がなくて再就職に一歩踏み出せないということになってしまうかもしれません。

その3:施設で働くことこそ経験を問われる!未経験者は要注意!

 

もうこの一言につきます。

施設で働くのは楽というイメージでしょうか?

確かに、日々の業務だけを見れば病院や医院(クリニック)と比べて楽かもしれません。

が…精神的な負担はかなり多いと思います。

施設は様々な種類がありますが、基本的に看護師配置は限られた人数です。

日中1人、夜間1人とか多いかもしれませんね。

とにかく、少ない人数(最悪自分だけ)で入所者、利用者の全ての看護を行わなければならないので精神的負担は半端ないです。

普段は何にも問題ない方でも突然急変なんてこともあります。

その対処を全部自分一人で判断して嘱託医師に連絡とったり、病院に搬送したりしないとけないんです。

いやーおそろしいですね。訪問看護も同じような感じです。

未経験で、准看護師資格取って間もない人が働くような場所ではないと思います。

お爺ちゃん、お婆ちゃんのお世話しとけばいんでしょ?なんて軽い気持ちで働けるところではないかなと。

それは、長い経験を積んだベテラン看護師にこそ似合う言葉です。

准看護師資格を取った後は、施設での就職は一旦見送ってみることを力強くおすすめします。

結局、新卒准看護師は総合病院の病棟勤務がいちばんおすすめ

 

やはり最初に働くべき所は「総合病院の病棟」ですね。

経験が積める(技術、知識の向上)、子供の体調不良にも融通が利く(かもしれない)、お金を稼げる、再就職に強い(経験があるから自信が持てる)いろんなメリットがあると思います。

最終的に「子育てメインでぼちぼち稼くごとが目標」とするならば、将来の自分のために最初しばらくは経験を積むことに力を入れるといいかなと思います。

その努力が今後の自分の准看護師生活をかなり支えてくれるはずですよ。