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准看護師の仕事が辛い!新人が頑張るべきこと、頑張らなくてもいいこと

資格を取って喜んでいるのもつかの間。

看護師へのステップアップをしない人は、いよいよ准看護師として実際に働き始めることになります。

どんな部署に配属されるかな、先輩は優しいかな、仕事が覚えられるかな、准看護師だし差別されないかな、いじめられないかな。

期待と不安、緊張など様々な気持ちが入り混じりますね。

准看護師でも看護師でも、新人1年目はとても忙しく身体的にも精神的にも辛いことの連続です。

就職して1カ月経つ頃には『仕事に行きたくない病』になってしまう可能性。現実を知って仕事を辞めたくなる人も多いのです。


『新人の時に最低限おさえておくべきことは何だろう』

 

私の職場での話も交えつつ、新人が『頑張るべきこと』『頑張らなくてもいいこと』を私目線でお話ししてみたいと思います。

この記事を読んで、気持ちが楽になって仕事を前向きにとらえてもらえるといいなと思っています♪

新人が頑張るべきこと


それでは、新人が頑張るべきことを具体的にお話ししていきます。

けれど、その前にこれを覚えておいてください。

『できないこと』『知らないこと』『分からないこと』は当たり前。

自分にはできることが少なくて当たり前、他の人と同じようにできなくて当たり前、そう思ってください。

自分のことをちゃんと理解して、できない自分を認めてあげることがとても大事です。背伸びしようとしたらダメですよ。

メモを取ろう


『何を当たり前のことを!』と思う方も大勢いらっしゃることでしょう。

メモを取るなんて教えられなくても当然…と思っていました。

が、しかし!教えられたことをメモしない新人は多いのです。

そもそも新人とか関係なく、ベテラン看護師でも新しいことを教えてもらう時にメモを取らない人が実に多い。

仕事をする上で『メモを取る』という行為は、自分のためであることは言うまでもありません。

しかし、ここで新人によく考えてほしいのは、教えてくれている先輩への配慮です。

先輩から見ると、『教える』という行為は仕事であり新人指導は義務です。

新人からすると『教えるのは当たり前でしょ?』と思うかもしれません。

そう、もちろん当たり前なんです。

でも、先輩は自分の責任を果たそうと頑張っているのですから、その努力に応えることが新人の義務だと思います。

新人がメモも取らずに『はい、はい、あー、そうなんですね。分かりました。はい。』と返事や頷きだけで対応していたら、先輩はどう思うでしょうか。

教えてもらう側の姿勢は、教えてくれる先輩への感謝や自分の積極性を見せる最大のチャンスです。

この子はちゃんと話を聞いてくれている、やる気があるんだな、と先輩に思ってもらえることで徐々に信頼関係が築け、自分の成長に繋がっていきます。

新人は失敗するのが当たり前。

同じ失敗をしたときに、メモを取っていたけど失敗したのか、メモを取らずに失敗したのかでは大きな差があります

メモを取っていればきちんと反省や振り返りができます。

どこを失敗したのか、聞いていた話と違ったところはどこだったのか、先輩が話したニュアンスと自分が受け止めたニュアンスの違いも分かります。

そこから次につながり徐々に失敗が減って成長してくのです。

メモを見れば自分で仕事ができるようになります。

逆にメモがないといつまでも人に聞いてからでないと仕事ができません。とにかくメモを取りましょう!

ここで私の職場での話をひとつ。

とある日、吸入器の使い方を先輩看護師が新人に説明しました。

その新人はメモを取っていませんでした。

その先輩は口には出しませんが『メモを取らないの?』と思ったそうです。

そこで、『メモを取った方がいいよ』と教えてあげるのも先輩からの配慮かなとは思うのですが、そこまで先輩が手取り足取り教えるのも親切すぎなのかもしれません。

こうしてメモを取らずに吸入器の使い方を知った新人。

その翌日、指導してくれた先輩看護師とは違う人に…『あの、水(蒸留水)はこのままここに直接入れていいんでしょうか』と聞いていたそうな。

「Really?」(;゚Д゚)oh、NO!

先輩看護師が丁寧に時間を割いて教えたのに、また別の人が指導に時間を割くことになるなんて。

しかも、2回目以降も様々な人に使い方を聞いていたらしく、その時もメモを取ることはなかったそうな。

みなさん、メモを取ってくださいね。これは本当にお願いします。切実です。

知らない(分からない)ことは知らない(分からない)と言おう


人間誰しもプライドがあります。

けれど、時にこれが障害になることがあります。

一度教えてもらったことを何度も確認するのはNGです。

でも、ちゃんとメモを取っていて、それでもまだ理解が不十分で自分がどれだけ努力しても分からないのならば、『分かりません』と言うべきです。

分かっていないのに『分かります、知っています』と言うのは避けましょう。

新人の特権は、知らないことや分からないことを堂々と聞けることです。

中途半端に経験年数だけが過ぎていくと、『え、こんなことも知らないで今まで看護師してきたの?』とかなりのバッシングものです。

そうならないために、全国の看護師や准看護師の人は日々自己研鑽に励んでいるのだと信じています!(ですよね!?)

ただ、ここでひとつ注意が必要なのが、『初めて教えてもらうことなのか、1度は教えてもらったことなのか』です。

前者は単純に『教えてもらっていないので教えてください』でいいと思います。

後者は言い方間違えると人間関係に溝ができてしまうかもしれません。女の世界って面倒です。

 

『1度○○先輩に教えていただいたのですが、まだ○○について理解が十分できておらず手技にも不安がありますので教えていただきたいです。お時間があるときに私の手技を見て指導していただきたいと思っています。よろしくお願いします。』


まず、1度教えてもらった先輩への配慮は忘れずに。

全く教えてもらっていない雰囲気を出すと反感買いますので注意。

そして、向上心のアピールをしましょうね。分かりたい!知りたい!勉強したい!という姿勢は、言葉や雰囲気で伝わります。

逆に、分かりたくもないし知りたくもないし勉強したくもないという気持ちがあると、表面上でどんな言葉を使おうと嘘って分かります。

そして、ここでもメモすることをお忘れなく。

人の話を意識的に聞こう


新人でありがちなのが、新人同士で固まって、先輩とのコミュニケーションがうまく図れないこと。

仕事をしていると、何となく『あの看護師さん苦手かも…』『あの人と話すとすぐに怒られちゃうから…』と先輩を敬遠することが多くなります。

逆に話しやすい人とはどんどん距離が縮まって仕事がしやすくなりますね。

私の経験上、新人同士で固まることも、苦手な看護師さんを避けることも、それはそれでOKです。

嫌な人と付き合っていると仕事できませんからね。そんな環境の中で新人にしてほしいこと、それは…。


『周りの会話を意識的に聞くこと』


話の輪に入らなくてもいいんです。

自分に話を振られたら面倒くさいなと思うかもしれませんが、先輩の会話、医師の会話、様々な職種の人たちの会話、とにかくいろんな人の声を聞いてみましょう。

決して盗み聞きするわけじゃなく、同じ空間にいながらさりげなく人が話している内容を意識して聞いてみる。これ、すごく役に立ちますよ。

結局、看護の仕事を始めて何がいちばん辛いって、仕事ができないことでも、患者さんへの接し方が分からないことでもなく、看護師同士の人間関係ですからね。

人間関係さえクリアしてしまえば、仕事はできるようになります

それはなぜか。人を介して情報が入りやすくなるからです。

情報があれば仕事でどのように動けばいいのか分かるようになります。

周りの状況を見極めて、今自分はどうするべきかを判断できます。これはちょっとやそっとじゃ培われません

。新人がすぐにできることではないけれど、『人の話を意識的に聞く』というちょっとした努力で、何年後かに仕事ができるかできないかが決まってくるのかなと個人的に思っています。

看護師の人間関係って環境の差はあれど、どこもドロドロしています。

新人はそんな環境に簡単に精神をやられてしまいます。

頑張り屋さんの新人は自分から何か積極的に行動しなくちゃ、と思ってしまうかもしれません。

でも、新人のうちは自分から積極的に言葉を発する前に、周りの声を静かに聞いてみることをお勧めします。

もし、何か聞かれたら、その時はそれに対して答える程度に留めておいた方が無難でしょうね。

口は災いの元。まず人の話を聞く!これに尽きます。

報告・連絡・相談しよう


これは、新人でなくても当たり前なことですが、『報連相』って仕事で本当に大事なんです。

胃内視鏡検査予定の患者を3年目の看護師が受け持っていました。

午前中にバイタルサイン測定を済ませ検査が問題なく行える状態であるかを判断しなければなりません。

バイタルサインは問題なし。ですが、なにやら患者の反応がいつもと違います。

先輩看護師が『今日は検査を中止した方が良いかもしれない。バイタルと今の状態を先生に報告して指示を仰ぎましょう。』と言い、3年目の看護師は『あ、はい』と答えました。

医師への報告は受け持ちであるその看護師に任されました。

その後の指示がどうなったのかは誰にも分かりませんでした。

そんな状況の中、患者のベッド移送が始まりました。

先生に指示を仰ぐよう指導した先輩看護師が、『え、どうしてベッド移送してるの?検査は続行なの?』と尋ねました。

すると…『あ、いえ、内視鏡検査は中止で、CTの検査が出ました』と言ったのです。

先輩看護師、他多数の看護師みんな、『え?どうしてそれを移送前にちゃんと情報共有しないの?』という反応だったそうです。


検査が続行になるか中止になるか、担当ではない看護師には直接的にあまり関係のない話かもしれません。

けれどここでよく考えてほしいのは、どんな情報も自分一人で抱えてはいけないということ。それがミスの始まりとなり、人を死に至らしめることに繋がるということです。

このくらい言わなくてもいいだろう。これは大したことじゃないかもしれない。

それを判断するのは自分ではなく『先輩や上司』です。

まず、新人として自分が知り得た情報はかならず誰かに伝えることが大事です。

そして、内視鏡検査が中止になりCT検査を実施したまでは良かったのです。

ここで一件落着なら本当に良かった。でもそうはいきません。

 

本来行うはずだった胃内視鏡検査の予定時刻になったところで、外来から内線がかかってきました。電話応対をしたのはまさかの師長。

外来『あの、外来ですが、○○さんの検査が始まるので内視鏡室へ移送をお願いします。』

師長『○○さんの検査、呼ばれたわよ。』

3年目看護師『え、あの、○○さんの検査は中止になりました。』

師長『え!?』


これ、本当にありえない状況です。

検査中止の情報共有ができていないために検査を行う外来スタッフへ余計な負担をかけたあげく、病棟師長の管理能力への不信感をも生んでしまったと思うのです。

たった一人の看護師の判断の甘さで、他部署や上司に迷惑をかけてしまう。

みんな忙しい中、検査が滞りなく済むように準備をして待ってくれていたかもしれないのに、その貴重な時間を台無しにしてしまいました。

外来からすると、『師長は病棟のこと何も把握していないのね』と思ったかもしれません。信用を失うかもしれない事件です。

自分一人の中で済むような問題なら良いのですが、新人のうちはそれすらも判断できないことが多いと思います。

だからこその、『報連相』です。

些細なことでも先輩に伝えてくださいね。

『なんでいちいちそんなこと報告に来るの?』『それ、今言わないといけないことなの?』と軽くあしらわれてもいいんです。

新人がすべきことは、自分の知り得た情報を誰かの耳に入れておく事なんです。

先輩がちゃんと聞いているか聞いていないかはこの際関係ありません。

『自分はちゃんと伝えた』という結果を残すことを重視してみてください。

新人が頑張らなくてもいいこと


新人はついつい気が張っていろんなことを頑張りすぎてしまい、自分で自分を窮地に追い込んでしまうことが多いのような気がします。

頑張るべきことと紙一重な部分もあるとは思いますが、頑張らなくていいんだよということを少しお伝えしてみようと思います。

先輩の顔色をうかがわなくてもいい


人によってはすごく気分にムラのある先輩っています。

彼氏と別れたとか、家庭で旦那とケンカしてイライラしているとか…、そもそも仕事中にプライベートなことを持ち込んで態度がコロコロ変わるような人のご機嫌を取ることはないかなと思っています。

頑張るべきことでは、『先輩に配慮しようね』『先輩を敬おうね』という意味合いのことを話していますが、それももちろん大切ですよ。

でも、新人とは言えどいつでもどこでもニコニコして、先輩の顔色を窺っていたんじゃ疲れてしまいます。

新人は自分の義務(メモを取るとか、話を聞くとか、報連相とかね)を果たして、それで自分の目指すべき目標(憧れの先輩)をしっかり見極めることがとっても大事。

先輩全員から好かれるなんてよほどのことがない限り無理なので、まず先輩のご機嫌とりより自分の義務を果たすこと。

顔色をうかがわなくても大丈夫。仕事ができるようになれば、それ自体が無意味だっていつか気が付きます。

できなくて当たり前だから気にしなくていい


だって新人ですもの。

今からできるようになるために、資格をとってここにいるんです。

最初からできる人なんていませんよ。

自分の過去を棚に上げて説教交じりに話してくる先輩なんか放っておけばいいんです。

説教が少しずつ減ればいいなくらいの楽な考え方でいいと思います。

もちろん、いつまでも説教が減らないとすれば、自分の努力がまだまだ足りないということかもしれませんが。

しかし、看護師はやっぱり経験ありき。

経験しないと分からないこと、気が付かないことはたくさんあります。それが先輩との差。

それはどうやっても埋められない。そういうものです。

ひとりで仕事ができることも大切かもしれませんが、今はそれをストイックに追い求めるときじゃないと思います。

誰かの力を借りて、ようやく1人前でもいいんじゃないかな。

全部一気にひとり立ちなんて難しいです。今はできないことに対して焦らないこと。

焦らず自分のするべきことをちゃんとこなしていれば、『なんでできないの?』『なんで覚えられないの?』という小言がいつの間にかなくなると思いますよ。

真面目でなくていい


これは語弊があるかもしれません。

不真面目を推奨しているわけではなく、しかし決して真面目であるべきだと思っているわけでもなく。

私の中でなんとも言えないニュアンスなのです。

看護師は基本的に真面目さんが多い印象です。

自分の正義というか、譲れないこだわりというか、そういうものが強い職種じゃないかなと思っています。

そこで、自分の思い通りにならないことがあると、思いつめたり、どうしたらうまくいくだろうと真剣に悩んでしまうんです。

悩むことはもちろん大切なことです。悩むことで開ける道もあるでしょう。

でも、大抵悩んでも変わりません。変えたいならば、組織の上に立つか、よほどの信頼を得るしか方法がないのです。

みんなが同じ方向を向いている時のエネルギーは本当にすごくて、あっという間に問題が解決してしまう時があります。

逆に、自分だけが違う方向に進もうと抗っていると、いつまでも抵抗勢力と戦うことになるので疲れます。

真面目も素敵です。でも、不真面目も素敵です。

そのバランスのとり方が上手な人が素敵な看護師です。

私はあえて新人看護師は真面目になりすぎない、ふわふわした感じがちょうどいいのかなと思っています。

経験を積んで徐々に真面目になればいいかなと。経験年数あるのに不真面目だらけじゃダメですけどね。

どうして私はこんなにダメなんだろう、と真面目に考えてはいけません。

ダメな私も私。ただそれだけのこと。仕事は楽しんで笑うことをお勧めします♪

休みたかったら休んで、辞めたかったら辞めればいい


私も1年目は相当泣いていました。

毎朝泣きながら車を運転し、嫌々出勤していました。

『行きたくない』『休みたい』『でも休んだら次の日行きにくくなる』『なんて理由で休もうか』

帰宅途中は、『今日も頑張った』『明日はどうしよう』『行きたくない』『明日急変したらどうしよう』『明日は誰が出勤だろう』なんて考えていました。病んでますね。

まぁ、そこで踏ん張って頑張ったから今の私があることは言うまでもありません。

でも、いいと思います。休みたいときは休めばいい。職場が合わないと思えば辞めちゃえばいい。

けれど、『そのリスクを十理解した上で』が大前提です。

休むという行為は、信頼を少しずつ失い、自分の価値を下げることになります。

辞めるという行為はある意味潔いと思うので、逆に変なイメージがつかずに良いかもしれませんね。

休むくらいなら辞めてしまおう。

あとは、誰かに自分の気持ちをちゃんと聞いてもらってください。

私は、辞めたくて逃げたくて、とにかく毎日行きたくない病にかかっていましたが、それを誰にも話したことはありませんでした。

今でこそ、誰かに共有してもらっていたら気持ちが違ったのかなと思います。

私は准看護師1年目、とある病院に就職後1週間目くらいにMRSA隔離部屋の人工呼吸器装着中の寝たきりの患者さんを受け持つよう言われ…『大丈夫、できるでしょ』と放置プレーにあったのがかなり衝撃でした。

吸引なんてしたことないし、呼吸器ももちろん触ったことなんてありません。

泣きながら吸引したのを今でもはっきり覚えています。

もし、看護師をするのが辛いと思えば休んでいいし、辞めてもいいと思います。

どんな経験も、看護師人生に無駄なことはひとつもないと思っています。

また仕切り直して前に進むだけなので大丈夫。

新人という肩書を武器にしよう


いろいろとお話ししてきましたが、とにかく新人という立場を利用していろんなことを吸収していってほしいなと思います。

新人にしかできないこと、新人でもできることはたくさんあります。

先輩が手を差し伸べてくれるのを待つだけじゃ何も変わりません。

まずは『頑張るべきこと』をぜひ実践してみてくださいね♪