紫のテープで張り付けた茶色いメモ

看護学生は辛いよ!!理不尽な看護実習をうまく乗り切る心得

看護学生の時、実習指導者や教員の理不尽さに納得できずに悩むことがたくさんあります。

怒りの気持ちが芽生えればまだ良い方で、大抵の場合は絶望感や不信感などが生まれて、そのうち自己否定に陥ってしまったりすることも。

『私はどうしてこんなこともできないんだろう』
『私の考え方は間違っている』
『こんな私が看護師になれるはずがない』

全部悪循環。実習だけじゃなく学校に行くことさえも辛くて、周りの友達と比較しては落ち込んで究極の選択肢も思い浮かんでしまいます。

『学校、辞めようかな』

でも、ちょっと待って。その理不尽さに悩んで苦しんでいる今の気持ちはすごく大切。

その気持ちを知っている人は、看護師になってきっとたくさんの患者さんの心を救ってあげられるはずです。

今回は、私なりの理不尽な実習を乗り切る方法や気持ちの安定を図るための持論を記します。辞める決断はまだ早いかも。

理不尽その1:指導者が変わる

 

紙を放り投げる先輩ナース


病院にもよりますが基本的に実習担当の看護師は決まっています。

しかし、その人が実習期間中毎日全ての学生の指導を行うことは勤務の都合上不可能です。

そのため、一貫した指導を受けられないという事態が起こってしまいます。

前日の指導者から言われたこととは真逆のことを言われたり、学生が頑張って考えてきた実習プランが全く通用せず、朝一番で計画練り直し!という悲惨な事態になってしまうのもよくある話です。

学生にとって指導者が誰かというのは、その日1日を無事に過ごすことができるか否か、かなり重要な要素となっています。

指導者が変わる、指導内容も変わる、意に沿わない計画だと指摘される。

そんな理不尽なことが起こると学生も考えてしまいます。

『あまり突飛な内容はやめておこう。無難なものを書いておこう。』

患者さんのことを考えるよりも指摘されたくない気持ちが勝ってくる。

でも、それでいいと思うんです。

指導者によって指導内容(看護観)が変わるのは仕方ないと諦めて、無難な内容を書いておくとあまり気負わずに済みます。

やり直すのは面倒だし、無難な計画を立てて指摘されたことを足していけばいいんです。

真面目に一所懸命考えることも大切だけど、辛いと思い始めたら負のループがぐるぐるエンドレスになる前に、ある程度の諦めや潔さがある方が長続きするし良いんじゃないでしょうか。

『あなたはこんな計画しか立てられないのね』

そんな風に言われたって、思われたって別にいいんですよ。

紙に書いた文字、自分が発した言葉が全てじゃないはずです。

自分の中にある看護観(考え)がしっかりしているならそれでいいし、全力で自分の考えを披露しなくても実習は乗り越えられます。

自分の納得する実習ができればそれで良いのです。

 

にゃん太
持論:指導者が変わっても、指導者の発言が変わっても気にしない!

 

理不尽その2:教員が実習病院寄りの考え方

 

指導者に頭を下げる看護学校の教員

 

ここで心得てほしいことがあります。

教員は基本的に実習中は中立の立場です。いや、むしろ実習病院側の人間に近いと思っておく方が無難です。

そう思っておけば学生の傷は浅くて済みます。

教員は学生を守るためにいろいろと立ち回る義務もありますが、実習中は微妙な立場でいることが多いです。

これは、お世話になっている実習病院様に失礼があっては来年度の実習受け入れをしてもらえなくなるかもしれない!!というところが大きいのではないかと思います。

その辺りを学生はほんの少し考慮してあげてほしいなと。

実際、実習先の病院を探すのは大変で、1人の学生の行動や態度が原因で来年度から受け入れしません!と言われてしまうこともあるらしいのです。

○○病院附属の看護学校とかならそういう心配はないのだろうけど。

学校としては実習受け入れ拒否にならぬよう細心の注意を払っていて、教員もピリピリしていることが多いのだと思います。

そもそも教員の臨床経験値が乏しいために教員自身もどうしたら良いか分からないという、学生とあまり変わらない状況にいることもあったりなかったりなんです。

そんな時は実習先を探して提供してくれて本当にありがとう!と思うようにするといくらか気持ちも収まるような気がします。

もちろん親身になって学生を助けてくれる教員もいますよ。

そんな教員に出会ったら本当に感謝してもしきれないし、自分の身を盾にして学生を全力で守ってくれるなら安心して実習に臨めます。

でも、出会う確率は宝くじ並みです。

教員に相談しても明確な答えは得られないこと、教員に病院の指導について愚痴っても何も変わらないこと、むしろそれをきっかけに病院批判した悪い学生イメージがつく可能性があること、教員に相談することで指導者の意見との板挟みになって自分の中に迷いが出る可能性があること。

決して教員を頼るなということではなく、『教員なんだから学生をもっとフォローしなさいよ!!』なんていう考えで実習に臨むと心を折られてしまいますよ、という話。

適度に頼って、適度に傍観して、適度な距離感でいるのがおすすめです。

 

にゃん太
持論:教員が病院寄りである場合はとにかく期待しないことに尽きます

 

理不尽その3:指導者に無視される、嫌味や文句を言われる

 

学生に嫌味を言う先輩看護師

 

なぜか指導者と馬が合わない学生がいます。

そういう時はお互いに『私、あなたのこと嫌い(苦手)なんで!!』オーラが出ているような気がするんです。

自分が合わないなーと思っていると、相手も同じように思うなんて話もよく聞きます。

しかし、実習中はどれだけ嫌でも関わらざるを得ないので辛すぎて病んでしまいますよね。

実習中は指導者からの精神的なダメージが一番堪える。

もちろんレポートや記録を提出するという締め切りに追われるストレスもかなりのウェイトを占めますが、いじめまがいな精神的ストレスが一番辛いのは言うまでもないです。

これで教員も病院寄りだったらもう絶望!!

どうして指導者は学生に対してそこまでひどくなれるのか。

学生は指導者の八つ当たり的な態度にどう対処すればいいのか。

永遠のテーマですね。

でもね、指導者にびくびくしながらする実習は、学生のためにも患者さんのためにもならないんです。

指導者と学生の間に上下関係が生まれることがあるとしても、人と人との関係において最低限のマナーを守れないような人に合わせること自体が無意味じゃないかと。

資格を取って働き始めると上下関係による理不尽な差別や区別なんてよくある話だから、『こんなことで病むなんて心弱すぎ!!』なんて思う人もいるかもしれませんが私はそうは思いません。

むしろ、個人を尊重せずに相手に勝手なレッテルを貼って決めつけるような人の方が問題じゃないですか?

看護師はどんな人でも分け隔てなく接するスペシャリストなはず。

学校でもそう教えられるし、もちろん究極な理想像であることも分かっています。

でも、そういう理想に近づける人にならないといけないんだなぁということは頭で理解していないといけません。

だから、無視をする、嫌味を言うような看護師にならないために理不尽に感じる気持ちを忘れずに大切にしてほしいのです。

看護師も人間だから、嫌いな人もいるし、苦手な人もいるし、当たり散らして文句を言いたくなるときもあります。

でも、きっとみんなから尊敬されて頼りにされる看護師は、自分のドロドロした感情を一旦自分の中にしまっておける心の余裕があるんだと思います。

学生の時は『あの人は優しいなぁ』『今日はあの人が指導者だから安心!』と指導者の人物像に憧れたり、逆に幻滅したり、指導者に対していろんな気持ちが生まれますよね。

でも、いざ自分が卒業して資格をもって指導する側に立った時には、『学生ってほんと面倒くさい!関わりたくない!』なんて思ってしまうことも珍しくありません。

そしてそれがどんどんエスカレートすると、『あの患者嫌い』『あの患者面倒くさい』なんて気持ちに発展してしまうこともあります。

学生の頃、理不尽に思ってた気持ちはどこにいったの?

実習中に感じる理不尽さは、いつか自分が誰かに与える理不尽さかもしれません。

そう思うと、実習中指導者に無視されたり嫌味を言われることに耐えるのは未来の自分への投資ですよ。反面教師です。

指導者のために実習してるわけではないからこそ、指導者の負のエネルギーに引きずり込まれないでください。

辛い時期こそ、自分の意思をしっかり持って前向きに頑張ること。

 

にゃん太
持論:学生として正しい行動、正しい態度、正しい姿勢をしっかり見せるのが大切!

 

ちなみに私なりの正しさは、『正しい行動=報連相』、『正しい態度=謙虚&素直』、『正しい姿勢=やる気&前向き』ですね。

理不尽その4:ケア・処置・検査などの情報を教えてもらえない

 

怒っている先輩看護師

 

学生は一所懸命情報収集し、翌日の検査や処置などを把握して自宅で事前学習をした上で実習に臨むわけですが、その努力が見事に消し飛ばさることがあります。

なぜかというと、指導者からケア、処置、検査の実施時間を教えてもらえない、または教えてもらっていてもシレっと事が済んでいることが往々にしてあるからです。

学生が朝一番にケアなどの見学を申し出ていても、その時間を確認していても、なぜか学生の知らないうちに全てが終わっている時があるんですねぇ。

あら、不思議!

学生にとって実習中のケアや検査は一大イベント。

今日の実習記録の目玉はこれだ!!くらいに的を絞って用意周到にしている時に限って、『ご一緒できなかった…』なんて恐ろしいことが起こったりするんです。

やばい!記録どうするよ!!って焦って教員に相談しても、『違う目標を立ててその記録を書きなさい、ふふふ』なんてさらに恐ろしいことを言われたりしちゃう。

これはなかなかの理不尽案件ですよ。

わざと!?って勘違いするくらい。私がそういう経験してるだけなのかもしれないけど。

そんな理不尽案件への対応策は、ずっと患者さんと共に行動するのが一番良い。

患者さんに予定を聞いて、患者さんに『私、ご一緒したいんです!!』と再度念押ししておくという予防線を張るのも良いかと。

患者さんは学生と過ごすのを楽しみにしている人も多いので、学生不在のままケアや検査が始まろうとすると、『あれ、学生さんも来るって言ってたけどいいの?』と言ってくれたりするんです。患者さんは優しい。

そもそも、ケアや検査をする人は指導者ではなく別の人が担当ということもよくあるので、患者さんにきちんと伝えておくと担当のスタッフに伝わりやすいという面もあります。

患者さんに事前に同意を得ていてもなぜか知らぬ間に全てが終わってしまう摩訶不思議な事件が起こらないようにするためには、大変ですが学生が粘って粘って粘るしか方法がないです。

イベントがあるときは粘り勝ちできるよう、しつこいくらい周りの動きを観察して、患者さんの部屋を訪問して、チャンスを逃さない集中力が必須!!

学生が休憩している時を狙って全部終わらせてるときもあるので、そうなったらもう諦めましょう。

翌日、素敵な指導者に出会えますようにと願うしかないです。

 

にゃん太
持論:患者さんにぴったりくっついて、粘り勝ちを狙おう!!

まとめ:負のスパイラルに巻き込まれないこと

 

理不尽案件の代表となりそうなものを挙げてみましたが、一番伝えたいのは『負のスパイラルに巻き込まれないことが最も大切だよ』ということ。

実習は自分の力だけではどうすることもできないことが多々あります。

そのひとつひとつにイライラしたり、落ち込んだりしても結局は何も変わらないです。

実習という制約のある環境の中で自分は何を成し遂げるのかをしっかり考えて、そのことだけに集中していたら理不尽なことも客観的に捉えられるようになると思います。

実習グループの仲間たちも、グループに属しているだけであって結局はみんな自分との戦い。

自分がどこまで頑張れるかだと思います。

実習は、弱い立場の人の気持ちを理解してどんな人にも平等に接することのできる魅力ある人になるためのステップアップと思って前向きに乗り切ろう!