看護実習で悩みに悩むであろう実習目標について、私なりの書き方をご紹介します。
ここで扱う「実習目標」とは「1日で達成できる目標(毎日の実習記録に記載する目標)」を想定しています。
実習指導者や先生が学生に何を求めているのか、それを理解するため糸口になれば嬉しいです。
実習目標の書き方
1.具体性と個別性
実習目標とは
患者が達成する目標(患者目標)と看護学生が達成する目標(学生目標)があります。
1番大きな目標(最終目標)を達成するために、具体的ないくつもの目標を考えて実行していきます。
その具体的な目標=毎日の実習目標となります。
患者目標 = 患者にどうなってほしいのか、患者がどうなりたいと思っているのか、そのために患者はどうすればよいのか
学生目標 = 患者目標を達成してもらうために学生がどのように関わっていくのか
【悪い実習目標の例】
- 患者目標:転倒しないように歩行することができる
- 学生目標:転倒しないように声掛けができる
【良い実習目標の例】
- 患者目標:左手に杖を持ち目線を上げて前を見て歩行することができる
- 学生目標:目線の目標となる対象物を決めてそれを見るよう声掛けができる
この悪い例、良い例を比較すると見えてくるものが、「具体性と個別性」になります。
それぞれを説明するとすれば、具体性は、その字のごとく『内容を細かく記載すること』です。
個別性は、『その患者さんにとって必要な情報を加えて記載すること』です。
目標を見ただけで、どんな患者なのか理解できる書き方が優れていると思います。
2.1日で達成できる目標か
具体性、個別性のある目標が記載できたら、1日で達成し評価できる内容かどうか確認しましょう。
1日で結果を得られないと判断したら、考え直す必要があります。
達成できると思って書いた目標でも、実際には達成できなかったということはよくあること。
その場合は、翌日に達成できるよう反省点を踏まえて考えていくことが大事です。
3.評価できる目標か
せっかく目標を立てても実施、評価までつなげなければ次のステップに進めません。
そのためには、具体性や個別性、達成できる目標であるかは大きな鍵になります。
先ほど挙げた良い例を元に考えてみましょう。
【良い実習目標の例】
- 患者目標:左手に杖を持ち目線を上げて前を見て歩行することができる
- 学生目標:目線の目標となる対象物を決めてそれを見るよう声掛けができる
この例の評価ポイントとしては
- 左手に杖を持っていたか
- 目線をあげていたか
- 目線の目標となる対象物を何に決めたか
- 患者はそれを見ていたか
などが挙げられると思います。
実習中にそれらが達成できたかどうか振り返り、その反省点が翌日の実習目標に活かされていくのが理想の形です。
毎日の実習目標は頭を悩ませることが多いですが、上記の3点を意識して目標を立ててみてくださいね。