看護の基本となるものを熟読せよ!紙上事例の展開を楽にすすめる考え方

茶色の本

ついに!!紙上事例演習課題の全てが終了しました(∩´∀`)∩
私の学校では、『ヘンダーソンの看護理論』を使って看護過程の展開をしています。
展開をする中で最も悩むのが『情報の整理』
そして、どの事例も情報整理の部分で指摘を受ける(必要ではない情報を拾っている)ということが多かったのです。
けれど、そのような中でもほとんど指摘を受けない学生がいたのも事実でして…その境目は何なのかと考えたところ、『ヘンダーソン 看護の基本となるもの』を熟読しているかどうかではないのか!と思い至りました。


私もこれを熟読して紙上事例に臨んでいたらもっと良い展開ができたかも

というわけで、これからヘンダーソンの看護理論を使って看護過程の展開をする(看護の基本となるものなんて読むの面倒くさいぜ!と思っている)方に向けて、我々のヘンダーソン先生は一体何を言っているのか読み解いてみようと思います!

この記事を読んだあとは、ヘンダーソンの思想にかなり近づいた情報整理ができるはず!(と信じています)

ヘンダーソンの基本的な考え方

まず、ヘンダーソンの理論についておさらいです。
ヘンダーソンは、『人間の基本的欲求』に基づいた看護を唱えています。

その『人間の基本的欲求』とは、以下の14項目を指します。

  1. 患者の呼吸を助ける
  2. 患者の飲食を助ける
  3. 患者の排泄を助ける
  4. 歩行時および座位、臥位に際して患者が望ましい姿勢を保持するよう助ける。また患者がひとつの体位からほかの体位へと身体を動かすのを助ける
  5. 患者の休息睡眠を助ける
  6. 患者が衣類を選択し、着たり脱いだりするのを助ける(衣生活
  7. 患者が体温を正常範囲内に保つのを助ける
  8. 患者が身体を清潔に保ち、身だしなみよく、また皮膚を保護するのを助ける
  9. 患者が環境の危険を避けるのを助ける。また感染や暴力など、特定の患者がもたらすかもしれない危険から他の者を守る
  10. 患者が他者に意思を伝達し、自分の欲求や気持ちを表現するのを助ける(コミュニケーション
  11. 患者が自分の信仰を実践する、あるいは自分の善悪の考え方に従って行動するのを助ける
  12. 患者の生産的な活動あるいは職業を助ける(達成感
  13. 患者のレクリエーション活動を助ける
  14. 患者が学習するのを助ける

(引用 ヴァージニア・ヘンダーソン著,湯槇ます・小玉香津子訳:看護の基本となるもの,日本看護協会出版会,P.36,2018.)

14項目の内容をしっかり熟読して理解しよう

紙上事例を展開するにあたって、看護問題を特定するために『看護問題リスト』を使用すると思います。この中では、それぞれの項目ごとに基本的欲求が充足した状態の定義が記されています。
基本的に展開時に指標とするのは『看護問題リスト』です。看護問題リストは簡潔に分かりやすくまとめてありますが、その言葉だけに捉われて解釈してしまうとヘンダーソンの思想から大きく外れてしまうことになるかもしれません。

私はこちらの『看護問題リスト』を中心に考えてしまい、書いてある定義の解釈がヘンダーソンの考えとはズレてしまっていたような気がします。そのため、必要・不必要の情報整理が適切にできておらず教員からたくさん指摘を受けてしまいました。
『看護問題リスト』の定義に惑わされず、『看護の基本となるもの』の中でヘンダーソンがどのように記しているのかをしっかりと把握することが大切です。

看護問題リスト』はヘンダーソンの考え方に則って作られた全く別のものであるという認識の方が良いのかなと思います。基本はやはり『看護の基本となるもの』を繰り返し読んでいくことです。

以下に看護過程の方向性を見失わず展開できるよう、看護問題リストの定義とヘンダーソンが記している内容の一部(呼吸~排泄まで)を私の解釈で簡単にまとめてみました。

① 患者の呼吸を助けるために必要なこと

【看護問題リストの充足状態の定義】

1.ガス交換が正常に行われている
2.安楽に呼吸ができる

(引用 江崎フサ子,玉木ミヨ子,村中洋子,秋葉公子共編:ヘンダーソンの基本的看護に関する看護問題リスト第4版,ヌーベルヒロカワ,P.10,2017.)

【看護の基本となるものに記されている内容】

  • 胸郭拡張や呼吸筋を上手に活用できる姿勢
  • 姿勢を保持するためのベッドや椅子、枕、パッド類の準備
  • 患者や家族に姿勢や補助具の使用方法を教えること
  • 気道閉塞の兆候がないか
  • 酸素やその他のガスの取り扱いについて原則的なことを知っているか
  • 人工呼吸や心肺蘇生の方法、呼吸器の取り扱いを知っているか
  • 室内環境(温度、湿度、不愉快な臭気、刺激性物質の有無、換気など)は適切か

② 患者の飲食を助けるために必要なこと

【看護問題リストの充足状態の定義】

1.必要な栄養がとれている
2.楽しく食べられ満足感がある

(引用 江崎フサ子,玉木ミヨ子,村中洋子,秋葉公子共編:ヘンダーソンの基本的看護に関する看護問題リスト第4版,ヌーベルヒロカワ,P.10,2017.)

【看護の基本となるものに記されている内容】

  • 患者の食物の好み、不適切な食習慣を知っているか
  • 身長、体重の標準、必要栄養量や食品の選択と調理について知っているか
  • 文化的ならびに社会的背景を考慮して食習慣、嗜好、タブーの類を知っているか
  • 患者が健康時の食事方法を維持できているか、身体的に安楽で情緒的なストレスがないか
  • 食事が食欲をそそる盛り付けになっているか
  • 介助はできるだけ毎回同じ人が行い、自分でできることは自分でやり、必要時のみ援助する
  • 介助者に遠慮すると食事は楽しいものではなくなり、食べたいのに食べるのをあきらめたり、早く食事を済ませてしまおうと考えてしまう(お膳は見えるところに置き、介助者は腰をおろす)
  • ベッド上での食事より、食堂へ移動して摂取すると、生活の流れに乗った感覚になり自由を感じられる
  • 食べる自由を失った患者に対して、患者にとって有害ないし無用の苦痛である病院の規則をできるだけ取り除き、悪影響が少なくて済むようにする

③ 患者の排泄を助けるために必要なこと

【看護問題リストの充足状態の定義】

1.生理的で正常な排泄である
2.排泄後の快感がある

(引用 江崎フサ子,玉木ミヨ子,村中洋子,秋葉公子共編:ヘンダーソンの基本的看護に関する看護問題リスト第4版,ヌーベルヒロカワ,P.10,2017.)

【看護の基本となるものに記されている内容】

  • 排尿、排便の正常範囲を知っているか
  • 発汗や不感蒸泄、月経などの正常について知っているか
  • 排泄物の外見上の正常を知っているか
  • ストレスは頻尿、下痢あるいは便秘が起こりやすい(感情との関係性が深い)
  • 異性に話すことをためらいがちになるため話しやすい環境をつくる
  • 身体的な安楽を保持する(姿勢、体位など)
  • プライバシーが守られているか(可能な限りトイレでの排泄を促す)
  • 羞恥心を最小限に減らす配慮をする(排泄物の除去、臭気対策など)
  • 皮膚が刺激されないように保護し、衣類やリネンの汚染を防ぐ

看護問題リストの定義とヘンダーソンが記している内容の違い

呼吸を例に挙げると、定義の『ガス交換が正常に行われている』『安楽に呼吸ができる』とはどのような状態を指すのかという答えが『看護の基本となるもの』の中にあるというのがお分かりいただけると思います。

看護過程を展開する時にどの情報が必要なのかを判断するのが難しいと感じたら、ヘンダーソンが記している『呼吸を助けるために必要なこと』を情報の中から拾い上げていけば良いのです。
呼吸筋を利用できなかったり、胸郭拡張がしっかり行えない姿勢であればガス交換は正常には行えないですし、たとえ酸素マスクから酸素投与が行われていても、きちんと装着できていなければ安楽に呼吸はできません。

ガス交換が正常に行われているという定義だけを見て情報整理すると、ただ単にO2SAT値や呼吸数、血液データなどからしか情報が拾えないかもしれません。姿勢や環境、ストレス、緊張などの情報も呼吸状態を左右する大事な情報です。看護過程の展開をするときは、ヘンダーソンが何を基準に判断しているのかを知ることが最も近道だと思います。


友達の一言…『情報がどこに当てはまるのか分からなくなったら、必ず看護の基本となるものを読み返して情報整理していたよ。』

この友達は紙上事例演習課題にほとんど訂正が入らず、無事にカリキュラムを終了させています。
早く仕上げたい!早く終わらせたい!解放されたい!紙上事例演習課題の時は、ストレスの塊になってしまいますね。でも、急がば回れ。面倒でも時間がなくても『看護の基本となるもの』をしっかり読んでみてください。絶対ひらめきます!おすすめです♡

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